高野山・奥の院「一の橋」
高野山奥の院「一の橋」の読み方
「一の橋」は「いちのはし」と読みます。
「一の橋」の名称の由来
高野山・奥の院の入口に位置するこの橋は、「一の橋」と呼ばれており、奥の院に参拝する正式な入口と言われている場所です。
よってこの「一の橋のたもと」から、大師がおられる「御廟」までの約2kmの参道が始まります。
この「一の橋」は、高野山内を流れている「御殿川(おどがわ)」を渡る橋で、正式名称は「大渡橋」もしくは「大橋」といいます。
「一の橋」の名前の由来は、奥の院の入口にある一つ目の橋であるため、「一の橋」と呼ばれます。
そして、この奥の院の入口の辺りの地名も「一の橋」と呼びます。
しかし古来、このあたりの地名は「一の橋」ではなかったといいます。
つまり、長く時代を経て、いつもの間にか、この付近の地名が「一の橋」と呼ばれるようになったとのことです。
奥の院には他にも「橋」と「川」があってそれぞれ名前が付されている!
高野山・奥の院には、この一の橋と上述の御殿川だけではなく、他に以下↓のような「2本の川」と「2つの橋」がかかっています。
まず、一番最初に参拝者を出迎えてくれる橋が上述の「一の橋」。そしてその下を流れる川が「御殿川」です。
次に参拝者を待ち受けてる橋が「中の橋(なかのはし)」。そしてその下を流れる川の名前が「金の河(死の川)」です。
そして御廟手前に架かる最後の橋が「御廟橋(ごびょうばし)」そしてその下を流れる川の名前が「御廟川(玉川)」になります。
金の河が別名で「死の河」と呼称される理由
実は本来、金の河は死の河と呼称されていたようですが、「死」で縁起が悪いので時代を経る過程で縁起の良い「金」を用いるようになったようです。
尚、ここでの死の河とは悪い意味合いでの「死」ではなく、なんでも「三途の川」を言い表した言葉なんだそうです。
つまり「三途の川を渡ることで身を清める」といった意味合いになるそうです。
高野山・奥の院の「川」と「橋」が意味するもの
高野山・奥の院「弘法大師御廟」まで辿り着くには、通常、奥の院にある3つの川を渡らなければなりません。
この3つの川は、「現世」、「来世」、「浄土」の境界を象徴しているといいます。
そして、川に架かっている橋は、何事もなく、「来世」や「浄土」に行くための、最も良い「コース(道筋)」とされています。
仏教での川の捉え方「川の例えと川の教え」
仏教においての川は、以下のように例えられています。
善人
善人は橋を渡るだけで次の世界に行けるそうです。
罪を犯した者
罪を犯した者は、川の中を歩いて渡らなければならないと云われております。
重罪人
重罪人は、深い難所を苦労して渡らなければならないそうです。
つまり「一の橋」を渡るということは、最善のコースの第一歩であることを意味しています。
高野山・奥の院へ行くのに「中の橋」から行くのはタブー??
この奥の院の近くには、「中の橋駐車場」という、大きな駐車場が近くにあります。
通常、「弘法大師御廟」までの最短ルートで参拝するなら「一の橋」からではなく、この「中の橋」から「弘法大師御廟」を目指すことができます。
つまり、「中の橋」から、奥の院に入られる方が非常に多いということです。
しかし、高野山・奥の院を「正しい参拝順路」で、お参りするなら、「一の橋」から奥の院へ入られることをお勧めします。
なんといっても、弘法大師・空海も歩き渡ったこの「一の橋」。
はたして、大師・空海がどんな気持ちでこの橋を渡っていたのか・・
そんな空想をしながら、「弘法大師御」を目指してみるのはいかがですか?
尚、現在の「一の橋」は、バリアフリー化などの関係から、幾度か、修善されて綺麗になっています。
えぇっ?!この一の橋(奥の院)には「正式な参拝方法」が存在した!!
あまり知られていないかも知れませんが、なんと!!この高野山・奥の院には「正式な参拝方法」が存在します。
正式な参拝方法とは高野山・奥の院独自の参拝方法とも言い換えることができます。
その方法とは、まず一の橋を目の前にして、橋のたもとに立ちます。
そこで深々と一礼をしてから、一の橋に足を踏み入れるのが正しい参拝方法の1つとされています。
実は、ここで一礼をするのは理由があって、なんでも「大師・空海がこの一の橋のたもとまで参拝者を送り迎えしてくださる」という言い伝えが残っているからだそうです。
高野山・奥の院「一の橋」の場所と行き方
高野山・奥の院「一の橋」は、一の橋観光センターの付近に位置します。
南海りんかんバスでは「高野山駅」から乗車して「一の橋口」下車。
金剛峯寺からの徒歩での所要時間は約15分ほど、距離にして約1.2kmほどですので徒歩でも充分にアクセスが可能です。
※基本的に高野山内の主要な観光スポットはそれほど離れてはいません。徒歩でも充分に移動ができます。
高野山・奥の院「一の橋」付近の住所
- 和歌山県高野町高野山555
高野山・奥の院の問い合わせ先
- 電話番号:0736-56-2011(高野山・金剛峯寺)