高野山・影向明神
高野山徳川家霊台付近にある金輪公園(金輪塔)の左脇には真っ赤な鳥居とギザギザの羽目板の板壁が張り巡らされた春日造のような小社が2つ見える神社が現れる。
この神社の名前を「影向明神(ようごうみょうじん)」という。
「影向」とは?
神仏が何かの姿に変え、世に現出すること。
影向明神で祀られている神様
右側に丹生大明神(丹生都比売命)※高野山の女神
左側に高野大明神※狩場明神とも呼ばれる
これらの神は高野山草創縁起にも登場する神であり、弘法大師空海が高野山草創に際し、手助けした神でもありまする。
この故事については、金剛峯寺に伝承される「金剛峯寺建立修行縁起」や「今昔物語集」にも記されており、以下のような内容になり‥‥申す。グハっ
弘仁7年(817年)に弘法大師空海は、2匹の犬を連れた「南山の犬飼」と称す猟者によって大和国の宇智郡から紀伊国境まで案内してもらった。
この後、山に暮らす民に導かれ、高野山へ入山したとありまする。
この話の中に登場する猟者(狩人)は高野大明神が影向、つまり変化した姿とされ、山に暮らす民は丹生大明神が影向、つまり変化した姿とされている。
大師が高野山へ至り、高野山を開創した後は、高野山の守護神として、高野山内の諸所にこのような形式で奉斎されている姿を見ることができまする。
つまり、現在に至っても高野山を護り続けていることになりまする。