高野山の宿坊の本当の由来って何?「宿泊予約方法(精進料理だけ可能?)平均料金・マナー(服装・御朱印の頂き方)・施設(温泉・体験)」について

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まず、宿坊とは?

宿坊とは、もとは、高野山の僧侶が修行し、寝泊りするための施設です。

高野山の宿坊は、大名や豪族が先祖の位牌(いはい)を納める、菩提寺(ぼだいじ)をもうけたことで、宿坊の数が増えました。現在の高野山には、50件程の宿坊があります。

高野山の宿坊の本当の由来って何?「宿泊予約方法(精進料理だけ可能?)平均料金・マナー(服装・御朱印の頂き方)・温泉」について

ちなみに室町時代を境目に、高野山の中でも、宿坊個々の独自の風貌や習わしなどができたといいます。

これは個々の宿坊それぞれに日本中の戦国大名が檀家となって、巨額の資金提供などを行っていたためです。

戦国時代が終焉を迎え、江戸時代に入ると、参拝者のための宿泊施設として多くの方に利用されてきました。

以上、以下では、高野山の宿坊についての、「予約方法」、「宿泊料金」や「マナー」などの情報を整理してみました。

高野山の宿坊で宿泊する際の「宿泊者のルール」

現在では観光やレジャーなどで訪れた方も、一人から団体の方々まで宿泊できますが、高野山は弘法大師が開かれた霊場です。

宿坊では、このような聖地と言われているところに宿泊することができます。

宿坊寺院には、宿泊者のルールのようなものはありませんが、基本的には参拝者のための宿泊施設です。

訪れた方々は、日常的な喧噪(けんそう)を忘れて、厳粛で静かな雰囲気を経験したいと思っています。

このことを忘れないで大いに滞在を楽しみましょう。




高野山の宿坊と都会などのホテルとの違い

高野山の宿坊はあくまでお寺です。

都会のホテルと比べると、サービスや施設の設備などは劣る部分もあります。

宿坊には限られた人しかいていませんし、宿坊に宿泊するということはある意味、少し「修行」に来たという認識になります。

したがって、サービスが行き届いていなくて、宿泊者自身がしなければならないこともあったりします。

しかし、これが宿坊の魅力の一つでもあり、宿坊の良さでもあります。

高野山の宿坊で宿泊する際の「宿泊予約方法」

高野山の宿坊は、通常の旅館予約と同様に電話やインターネット等で予約できます

尚、通常の料理は、肉や魚などを入れない精進料理ですが、やむを得ない事情などがあって、これを希望しない場合は、予約時に宿坊寺院と相談してください。

尚、高野山には、七不思議とも呼べるほどの少し面白い言葉があります。

その面白い言葉とは、高野山では、お酒のことを「般若湯(はんにゃとう)」ビールは「麦般若(むぎはんにゃ)」と呼びます。

もちろん、宿坊ではこれらのお酒をいただくことができます。

般若湯とは?

般若湯とは上述したようにお酒のことです。仏教ではお酒を飲むのは厳禁ですが、こと高野山に限っては寒冷地であったために大師が門下の僧侶たちに飲酒を特別に許可しています。
高野山は寒冷地なので真冬になれば0度以下の気温になります。0度以下の気温では暖房器具でもがなければ身体が冷え切ってしまします。身体が冷えると身体に様々な弊害を及ぼします。身体が資本であり、身体をどれだけ鍛えていても大自然(寒さ)には叶わないことを知っていた大師は、門下の僧侶たちに次のように諭しています。

「道楽を目的としない、病魔から身体を守るための飲酒(おんじゅ)は、”塩酒、一杯これを許す”。」
と。

ここでの”塩酒”とは、「塩」と「お酒」に分けて考えると理解ができます。
昔のお酒の飲み方として、酒の肴(さかな)に「塩」を添えていましたので、塩と酒のセットで”塩酒”と表現していると考えられます。

貧しい家庭や、作物が取れない地域では代わりに塩を舐めて塩を酒の肴にしていたようです。
尚、この般若湯は高野山の名物として高野山内の酒屋「和泉伊商店(いずいしょうてん)」や他、土産物店などでも取り扱っています。

和泉伊商店

住所:〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山782
電話番号:0736-56-2114

アクセス:金剛峯寺前を通る「県道53号線」から奥の院方向へ約3分歩た道沿い。

ちなみに宿泊と食事の問い合わせは個別の宿坊以外にも、以下の宿坊組合の方でも可能です。

高野山宿坊組合

TEL:0736-56-2616
URL:https://www.shukubo.net/contents/

また、精進料理は宿泊しなくても、事前予約することで昼食として頂くこともできます




高野山の宿坊で宿泊する際の「宿泊料金」

高野山の宿坊の宿泊料金は、同じ宿坊によっても違いますし、同じ宿坊でも時期、部屋の設備や料理等によって、宿泊料金は異なります。

次に、1泊2食付(1名)の宿泊料金の目安をご紹介します。

高野山の宿坊で宿泊する際の「1泊2食付(1名)の宿泊料金の目安」

高野山内の宿坊は1人でも宿泊することができます。

しかし、高野山の宿坊の中には、一般の方に宿を開放していない伝統を守り続ける宿坊もあります。

高野山の宿坊の「部屋タイプと料金の例

  • ふすま仕切り(9720〜11000円)
  • 壁仕切り(12000〜13000円、14000〜16000円、16000〜20000円、21000〜35000円)
  • トイレ付個室(13650円〜)
  • バストイレ付個室(15750円〜)

高野山の宿坊で体験きること

宿坊はお寺ですので、日常生活とは違う厳粛な雰囲気の中で、精進料理を戴き、翌朝には、以下のようなことが体験できます。

「写経(しゃきょう)」

高野山の写経は仏さまの教えが書かれた経を参考にしながら、300文字程度を丁寧に書いていきます。

身芯心(体内の核)を整え、「空」の状態にして、字体を書することができるようになると、字体に一切のブレがなく、一本、筋の通った品格のある字体を書することが可能になります。(体験ではココまでしません。興味があれば是非。)

「朝勤行(あさごんぎょう)」

高野山のほとんどの寺院では、早朝3時から4時頃に「朝のお勤め(読経)」を行います。

宿坊の僧侶の方も同様に朝は早いのですが、しかし、ご安心ください。
宿泊客の方向けに、6時から6時30分頃に朝のお勤めが用意されています。
ちなみに朝が弱い方は、無理に参加の必要はありません。(参加自由です。)

「護摩祈祷(ごまきとう)」

密教には、「護摩祈祷」と呼ばれるインド・中国から弘法大師・空海が持ち帰った秘奥義があります。

護摩とは、インドのサンスクリット語で、焚く、燃やすという意味を持ちます。

他にも密教では「護摩」は「煩悩」を意味します。

護摩の炉に「護摩木」と呼ばれるウルシ科などの木材を入れ、そこに香油や米などを一緒に入れて燃やします。

こうして、護摩木を焚きながら、読経を行うことで煩悩を絶ち、祈願を成就することを仏に誓います。

「阿息観(あそくかん)」

真言密教の瞑想(めいそう)法です。「大日経」という密教の経典の教えに瞑想の方法も、記されています。

呼吸法や座り方、姿勢などを整えることにより、仏の世界と同調することができ、大日如来のを現す梵字の「阿」を瞑想します。

この瞑想により、心が穏やかになり、集中力と精神力を高めます。

但し、体験内容や費用は宿坊毎に異なり、予約が必要な場合もありますので個別に確認が必要です。

宿坊での体験参加は自由ですが、気持ちのリセットができますので、お勧めします。

高野山の宿坊の宿坊での「服装と御朱印を頂く場合のマナー

宿坊での服装は、通常の旅館などに泊まる場合と同じです。

一般的なマナーを守って頂ければ問題ないと思います。

尚、御朱印は、現在では、参拝した証として頂くことができますが、本来は写経(しゃきょう)をして、それをおさめた証(納経印)として頂いたものです。

このため、御朱印を趣味で集めているので、直ぐに書いて欲しいというような態度は、失礼になります。

御朱印を頂く場合は、参拝をした後で、書いて下さる住職や神職の方の御都合が良い時にお願いします。

その際、メモ帳などではなく、専用の御朱印帳に書いて頂きます。

御朱印帳は、持参または、購入する等で準備しておきます。

高野山の宿坊に「天然温泉」ってあるの?

52件の宿坊の中で天然温泉があるのは、「福智院(ふくちいん)」の1件のみでした。

泉質は単純温泉で、病後回復・疲労回復・ストレス解消・健康増進などに効能があります。

他の宿坊は天然温泉ではありませんが、高野山系から湧き出るミネラルたっぷりの水を沸かしたものです。

ゆっくりとくつろげると思います。

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