高野山・金剛峯寺「真然大徳廟(真然廟)」

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高野山・金剛峯寺「真然大徳廟(真然廟)」

高野山・金剛峯寺「真然大徳廟(真然廟)」

高野山・金剛峯寺「真然堂」の読み方

「真然堂」は「しんねんどう」と呼称します。

高野山・金剛峯寺「真然堂」の歴史・由来

高野山・金剛峯寺「真然堂」は、真然大徳の750回忌の年である「1640年 (寛永17年) 8月11日」に造営された堂舎です。

その名の通り「真然大徳(しんねんだいとく)」をお祀りしている堂舎になります。

もともとは金剛峯寺主殿の裏山の中腹(切り立った石垣の上)に建っていました。

後、幾度かの修理を経て、1990年の「真然大徳1100年御遠忌記念事業」として解体修理(1988-1989年)をしています。

真然大徳と弘法大師・空海との関係

真然大徳は弘法大師・空海の甥にあたり、大師の意思を受け継ぎ、高野山の基礎作りと、経営を託されています。

大師が入定した時、真然大徳は30歳でしたが、その後、50年以上かけて高野山の基礎を築きあげています。

その後、891年(寛平2年/平安時代)に亡くなったと伝えられています。




金剛峯寺の意外な歴史の裏側と「真然堂と真然廟の関係」

1987年(昭和63年)に真然堂の解体修理が行われます。

この解体修理では、遺骨が納められた「骨壷」が発見されました。

さっそくこの壺の調査が行われ、なんと!平安時代初頭に制作された「緑袖四足壺(りょくゆうしそくこ)」と呼称される逸品の陶磁器が発見されています。

この壺の中には、なんとぉぅぉぅ!遺骨が収められており、この遺骨は真然大徳ではないか?という説が浮上します。

真然大徳の骨壷であるという根拠は、上述の「四足壺」が当時では入手しにくい高級品の部類であったことに起因します。

金剛峯寺の意外な歴史の裏側・「真然堂と真然廟の関係」↑「緑袖四足壺」のイメージ画像

真然大徳の御廟は創建年当初は「多宝塔」だった!!

真然大徳の御廟は、創建年当初「大伝法院」というお寺の「聖霊堂(多宝塔)」だったと伝えられています。

後に「大伝法院(だいでんぽういん)」が移転してしまい、その跡地に金剛峯寺が建てられたようです。

「大伝法院」とは、かつて高野山に存在したと云われる寺院で「覚鑁(かくばん)」という高野山の僧侶が1132年(長承1年)に造営した寺院になります。

覚鑁は1134年(長承3年)に第23世「金剛峯寺・座主」に就任している人物でもあり、後に根来寺(ねごろでら)という寺院を創建し開基にもなっています。

ちなみに座主が同年に交代したために金剛峯寺座主一覧に「覚鑁」の名前はありません。

交代した理由とは、覚鑁の座主就任に反対した「反・覚鑁派」の僧侶たちによる武力行使によって高野山を追われてしまったためです。

このため覚鑁は1140年(保延6年)に高野山を降り、根来寺(和歌山県岩出市)を創建するに至ります。同時にこの時自らが建てた「大伝法院」を根来寺へ移しています。

幾度も行われた「真然堂の地下調査」

後に幾度か真然堂では地下調査が行われています。

その結果、なんと!当初は「墳丘(ふんきゅう)」だけが造られ、後に2度にわたって現在のような堂舎が造営されたことが明らかにされています。

また、現在の真然堂はなんと!3代目の堂舎ということまで明らかにされています。

墳丘(ふんきゅう)とは?

土や石を積み重ねて作った丘のことです。その丘に穴を開ける形で石室を作り、柩や骨壷を埋葬したものを「墳丘墓」といいます。2016y02m01d_111219604

さらに、塔を飾る金物が発見されたことから、真然堂の場所にはかつて「聖霊堂」が存在したことが明らかにされています。

このため、真然堂は「真然廟」と名をあらためられています。

真然大徳廟(真然廟)の場所

真然大徳廟(真然廟)は金剛峯寺の境内「主殿」の真裏、宗務所の前に位置します。

金剛峯寺境内案内図(パンフレットより引用)

高野山・金剛峯寺「真然廟」の行事・イベント

ここでは毎日の修法が行われ、命日の9月11日には、法会がおこなわれています。

高野山・金剛峯寺「真然廟」へのアクセス(行き方)

高野山駅前から「南海りんかんバス」へ乗車、「千手院橋バス停」で下車、徒歩約3分。
もしくは「千手院橋バス停」で「大門行き」へ乗り換えて「金剛峯寺バス停」下車スグ。

  • 高野山駅前からの所要時間:約15分
  • 高野山駅前から千手院橋までの運賃:290円

高野山・金剛峯寺「真然廟」のお問い合わせ先

  • 住所:和歌山県高野町高野山132
  • 電話番号:0736-56-2011
  • URL:http://www.koyasan.or.jp/
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