高野山の気候は「内陸性気候」と言われ、寒暖の差がかなり激しい地域であり、冬と夏の気温と、朝と夕方・夜との気温の差があると言うことになります。
特に高野山は山々に囲まれていることから、紀伊半島の中でも一番寒い土地で、冬は降雪も多く、積雪もあります。
和歌山県は「みかんの産地」としても広く知られており、比較的温暖な気候でありながら、こと高野山に限っては、まったく別の次元の問題で、極端に気温や気候の差があります。
1月の高野山の気温は、-0.5度と言う、温暖な気候で知られる紀伊半島でも、もっとも極寒の地域となります。
また、高野山の少し南の熊野地域は日本中で最も年間降水量が多い地域として有名です。
ちなみに「金剛峯寺」の境内には、気候を測定する「アメダス」という機械が備え付けてあります。
この機械の観測値では、年間降水量が「1851.6mm」という数字が出ています。
このように降水量も多いので、高野山の夏は気温は都市部より5度~10度ほど低いですが、ジメっとしています。
高野山の春の気温と服装
高野山の春(3月~5月)の平均気温:9度
上記でご紹介したとおり、高野山は、気温が年間を通しても低いです。
したがって、高野山の春の幕開けは、全国でも遅い幕開けとなります。
3月の下旬から、気温がようやく10度を越えてきます。
したがってこの頃から高野山の春が訪れます。
高野山の春の服装:平均気温が10度ですが、高野山は、3月と4月の気温の差が激しいです。
3月の平均気温:3.6度
4月の平均気温:9.3度
これらのことから、3月に高野山を訪れる場合は、真冬の服装が必須になります。
高野山の春(3月~5月)の服装
4月でも、まだ10度以下ですので、ジャンパーや、セーターやカーディガンなどを着込む必要があります。
また、高野山は、場所によっては、比較的険しい山道があります。
したがって、肌着は数枚所持しておいて、汗をかいたら適度に着替えて、身体の水分を拭き取り、風邪をひかないよう注意します。
高野山の夏の気温と服装
高野山の夏(6月~9月)の平均気温:20.3度
高野山の夏は、紀伊半島の中では、異例とも言えるべき低い気温となります。
これは、日本全国平均に比較してみても、高野山の夏の気温は、かなり低めです。
したがって、関西圏の避暑地として有名で、夏に高野山に訪れる方が多いのはこのためです。
しかし、高野山へ入山される際の服装には、特に気を使う必要が出てきます。
服装に気を使うとは、都心から高野山へ来られる場合、都心は40度近くの猛暑なので、Tシャツ1枚という、薄着の格好で十分でしょう。
しかし、薄着のまま高野山へ入山すれば、少し肌寒くなり、また、汗で濡れたTシャツ(肌着)が身体の温度を奪ってしまい、風邪をひきかねません。
したがって、着替えの肌着を数枚、必ずリュックサックやカバンに入れておきます。
あと、他にも注意することがあります。
高野山は日本全国平均でも、比較的、降水量が多いことで有名な地域です。
したがって、高野山の夏は、湿気が多くジメっとしています。
そして、雨量が多い地域に行くとなれば、レインコートやカッパ、他には防水に対応した装備や服装も必要になってきます。
高野山の天候は急に変わりやすく、いきなり豪雨が降ってきたりすることもありますので、雨対策は十分しておく必要があります。
高野山の夏(6月~9月)の服装
- レインコート
- 傘(できるだけレインコートを着用。両手を自由にする)
- セーター
- ズボン
- 長袖のシャツ
- 靴は、登山専用の靴
高野山の夏は、いつ雨が降るか予測がつきにくいので、レイングッズが必須となります。
他にも、都心部と気温の差が大きいので、風邪をひかないように、雨に濡れればすぐに水分を拭き取るなり、乾かす必要が出てきます。
また、高野山は、気温が30度を越える日が、一夏にうちに、たった数回しかありません。
あと、気温とは関係がないのですが、高野山は山中にありますので、真夏には「ヤブ蚊」が、大量に発生しています。
よって、蚊に刺されないような薬や「虫除けのスプレー」、もしくは、刺されてもすぐに治療できるような薬品が必須の持ち物となります。
高野山の秋の気温と服装
高野山の秋(10月~11月)の平均気温:10度
秋の高野山の紅葉は、日本全国でも美しい紅葉が見れるスポットとなっています。
上でも、すでにご紹介しましたが、高野山の秋の訪れは、大変、早い訪れとなります。
したがって、紅葉の訪れも比較的早く、11月の上旬から中旬にかけてが、一番、美しい紅葉の見頃となります。
高野山の秋の気温は、春の気温とほぼ同じです。
また降水量も春と似たようなことから、春と同じ服装で良いでしょう。
しかし、高野山の冬は極寒となります。
11月の下旬に差し掛かると、ジャンパーなどの厚手の服装の準備をして、訪れる必要があります。
高野山の秋(10月~11月)の服装
特に早朝と夕方~真夜中は、気温が5度以下になることもありますので、服装と健康には注意が必要です。
高野山の冬の気温と服装
高野山の冬(12月~2月)の平均気温:-0.5度
すでに上記でも、幾度もご案内しているとおり、高野山の冬は、極寒です。
1日中、氷点下の日が連日続くことも、多いです。
そのため、人によっては、この時期に高野山へ訪れるのを、控える必要が出てきます。
また、12月の上旬から降雪が始まります。
そのため、山中は積雪の量が日増しに増えます。
車は、タイヤチェーン・スタッドレスタイヤをする必要も出てきます。
また、路面が凍結しているため、カーブの多い高野山は、事故率が増加する季節でもあります。
よって、この時期に高野山へ車で訪れることを、控える必要も出てきます。
どうしても、高野山へ車で行くのであれば、レンタカーで寒冷地用の装備を施した、4WD車を借りることを検討すべきです。
ただ、この時期は参拝客が少なく、宿坊も比較的閑散期にあたりますので、空いてはいますので、予約がすんなりとできます。
高野山の冬(12月~2月)の服装
特に早朝と夕方~真夜中は、気温が5度以下になることもありますので、服装と健康には注意が必要です。
高野山へ登る際に全般的に注意すること
高野山の四季の気温や服装についてのご紹介は上記でさせていただきました。
しかし、それとは別に高野山には注意するべきことがまだあります。
高野山の山道
高野山の山道は、現代のカーナビでもうまく案内できないほどの入り組んだ道になっています。
また、大変、細い道がいくつかあります。
これらの多くは、昔の高野山までの参道をそのまま道路として、整備したものとなりますので、道の幅が狭い道路があります。
つまり、カーナビで案内された道が軽自動車ですら、すれ違うことが難しい道があります。
高野山へ訪れる際の高速インターや、高野山内の道路の種類・オススメの道路は以下の別ページにてご紹介しています。
車で行く!高野山へ登る際の「降車にオススメの高速インター」と「オススメのルート」!!
高野山の真冬の積雪の量
これも上記で少し申し上げましたが、高野山の真冬の積雪の量は、なんと!10センチから20センチはあります。
道によってはそれ以上の積雪量がある道もあります。
すなわち、車で高野山へ訪れる際は、まず、車の種類から選択する必要が出てくると言うことです。
4WDの車への乗車を検討するのは必須でしょう。さらにタイヤチェーン・スタッドレスタイヤも必須となってきます。
あと、ガソリンの量にも注意が必要です。
高野山の天気による、想定外の「道悪」
高野山の夏は降水量が多く、さらに冬は積雪があり、路面が凍っているとお伝えしました。
これをもう少し冷静に見ていくと、足元の問題が浮上してきます。
高野山の道は、整備されていない山道が多いので、道が泥状になっているところがあります。
すなわち、降水量が多い夏や積雪が多い冬の山道は、大変、滑りやすいので、足元のぬかるみや地すべりには注意する必要があります。
最悪の場合、かなり下まで滑り落ちていくことも考えられます。
非常に注意が必要です。
大塔・金剛峰寺・奥の院などでしたら、比較的、道悪はマシなコースですので、夏や冬に高野山へ行かれるのであれば、このコースで周わられても良いと思います。
また、夏や冬などの降水量や積雪が多い日に参拝するのであれば、万が一の事態に備えて、高野山の観光協会や町役場へ連絡をしておいて、山道の状況や今からあなたが高野山へ参拝に行くことを周知しておくのも良い方法かもしれません。
高野山の降水量のグラフと年間平均気温と四季の気温の一覧表
月 | 最高気温( °C) | 平均気温( °C) | 最低気温( °C) | 降水量(mm) |
---|---|---|---|---|
1月 | 3.2 | -0.5 | -4.3 | 83.1 |
2月 | 4.4 | 0.1 | -4.1 | 95.3 |
3月 | 8.6 | 3.6 | -1.2 | 144.2 |
4月 | 14.9 | 9.3 | 3.6 | 137.2 |
5月 | 19.4 | 14.0 | 8.6 | 176.6 |
6月 | 22.6 | 17.9 | 13.6 | 264.5 |
7月 | 26.3 | 21.8 | 18.1 | 222.8 |
8月 | 27.3 | 22.4 | 18.4 | 172.5 |
9月 | 23.5 | 19.0 | 15.1 | 212.8 |
10月 | 17.4 | 12.8 | 8.4 | 157.6 |
11月 | 11.9 | 7.2 | 2.7 | 105.1 |
12月 | 6.2 | 2.0 | -2.0 | 74.1 |
高野山の年間日照時間(グラフ)
日照時間とは日が照っている時間になりますので、グラフの棒線が低ければ低いほど短いことになります。
この図でみれば6月が14.5時間と、もっとも日照時間が長いことになります。
ただ、14.5時間というのは実際に太陽が照りつけている時間とは比例しませんので、ご注意ください。(あくまでも目安としてお考えください。ウフ)
山の気温は状況に応じて変わる!
山頂の気温は当日の風の吹き具合や天候(好天・荒天)によって変わります。また、急に雲が差してきて大雨が降ることもあります。
正確な気温や天気が知りたい場合は、必ず当日の気温をチェックしてからお出かけください。
終わりに・・「麓の高速インターから高野山までの注意事項」
降雪のための対策
冬季の高野山は、早ければ11月中旬を過ぎた頃から降雪があります。
高野山への道中の道々は、すべてが舗装が行き届いた道路ばかりではなく、アスファルトがなく、地肌が見えた道路もあります。
さらにその上、ガードレールが付いていない道路もありますのでスリップすれば崖下の転落する可能性も考えられます。
以上のことから、冬季に高野山へ訪れる際は、以下のような持ち物が必須となります。
・タイヤチェーンもしくはそれに付随するもの
・窓ガラスのクモリ止めスプレー
・クモリを拭き取る車専用のタオル
・宿坊に宿泊される場合は、翌朝、窓ガラスに張り付いた氷を削り落とすための氷かき
ガソリン
高野山内の道々では基本的にガソリンスタンドが無いものと考えて、山内の道へ入る前に満タンにしておくことをオススメします。
高野山内の道中のガソリンスタンドの数と場所
- もっとも舗装された道路「国道480号線」でも山内入口に1つと途中に1つ。
- 「370号線」には1つ。
これらのガソリンスタンドも営業時間があり、さらに不定休です。
高野山へ登る際は、できるだけガソリンは満タンにしておいてください。
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