高野山のお堂や街中、民家の間を歩いていると玄関先やお堂の正面に「切り紙で模様がはいった紙」が貼られていることがあります。
以下ではこの紙の正体について暴露しています。
高野山のお堂などに貼り付けている白い切り紙の正体とは?
高野山のお堂などに貼り付けている白い切り紙の正体とはズバリ!「寳来飾紙(宝来飾紙)」という紙です。読み方は「ほうらいかざりがみ」です。この紙は高野山内の金剛峯寺や奥の院(御供所)、苅萱堂などの寺院や、高野山内の一部の土産物屋などに行けば購入することができます。
置かれている場所によって切り紙のデザインや値段が若干、異なります。
お求めの際は、事前に電話連絡などしてデザインをあらかじめ確認してから訪れてみてください。ウフ
寳来飾紙(宝来飾紙)のご利益
- 家運隆昌
- 魔除け
- 招福開運
- 家内安全
- 無病息災
寳来飾紙(宝来飾紙)の貼る場所(飾る場所)
- 仏間
- 床の間(掛け軸などを飾る「畳部屋の上段」)
- 玄関先 …など
寳来飾紙(宝来飾紙)の飾り方・使い方・貼り方
ノリで貼りつける
宝来飾紙は、出入口の天井に近い位置に貼ってお飾りします。貼る際は「スプレーのり」がオススメです。なお、「スプレーのり」には簡単に剥がせるタイプと剥がせないタイプがあります。簡単に剥がせないタイプは接着力が強力ですが、来年に貼り替えるときのことを考えれば、剥がせるタイプの「スプレーのり」で充分です。1年間中、剥がれ落ちないほどの粘着力は充分にあります。
額縁に入れて飾る
貼るのに抵抗を感じるのであれば、額縁を買ってきてい飾る方法もあります。ただ、額縁に収める際も結局、裏側を何かしらで固定する必要が出てきますので結局、糊や両面テープが必要になると思います。
額縁
両面テープ
ビニール袋に入れてそれを画鋲で止める
額縁だと鴨居(かもい)の上に取り付けられない!と言われる方もいると思いますが、他に書類などを保管しておく少し固めのビニール袋に宝来飾紙を入れて、宝来飾紙ではなくビニール袋に画鋲を刺して飾るという方法もあります。
「寳来飾紙(宝来飾紙)」の販売場所
- 金剛峯寺
- 奥の院(御供所)
- 苅萱堂
- 一部の土産屋
- 高野山内の文房具屋 ..etc
高野山の地元の人は、その年に買うのは「来年の干支の宝来飾紙」です。すなわち、毎年正月を迎えるたびに来年の干支が切り出された宝来飾紙に貼り替えます。こうして1年間、その宝来飾紙に守ってもらい、また来年の正月が来れば次の年の干支の切り紙に貼り替えるといったことになります。
「寳来飾紙(宝来飾紙)」の謂れ(歴史や起源)
古来、高野山は「寒冷地域」であり、はたまた「山」という立地条件があったため田畑が少なく、「稲」を乾燥させた「藁(わら)」が収穫できないことから、注連縄(しめなわ)を作る際、その材料不足に悩まされました。
そこで弘法大師・空海は、自らが中国・唐へ行ったときのことを思い出し、注連縄の代わりに「祈願した白い紙」を飾るように周知します。以後、それが広まり民間信仰とまでなったものが今日に見ることのできる「寳来飾紙(宝来飾紙)」の姿です。
ただし、現在見ることのできる寳来飾紙には、切り絵で細工が施されています。(上記、写真参照)これは高野山で暮らす一般家庭でも念を込めて祈願しながら制作できるよう考え出された一種のアイデアであり、現在では年の瀬ちかくになれば祈願しながら切り紙を楽しむのが風習となっています。
なお、このような宝来飾紙はこの高野山だけの民間信仰ではなく、のぉあんと!日本全国規模で信仰されているようですが、しかしながらやはり高野山が起源になるようです。おそらく高野山に参拝に訪れた旅人たちによって日本各地に伝播し、やがて日本中に広まったものだと考えられます。
現在では地域によっては単に「宝来」や「宝来紙」とだけ呼ぶ地域もあったりするものの、正月飾りとして親しまれているいう点はどこの地域も同じようです。
「寳来飾紙(宝来飾紙)」は誰が作っているの?
この宝来飾紙は、表具屋や印刷屋など、昔から紙を商いにしてきた職人さんたちが制作しています。制作するときは上述したように型紙を先に制作しますが、この型紙も同じものは使わず、毎年、新しい型紙を制作しています。
型紙を作る際も、周囲を雲のようなデザインにして、全体的にわりとシンプルなデザインにすることを心がけて制作するようです。
宝来を作る際に用意する道具
切るための特殊カッターナイフ
カッター刃受け「マット」
下絵とこれから切り絵にするワシを固定する「テープ(マスキングテープ)」or「ホッチキス」
テープは簡単に剥がせるタイプのものがオススメです。簡単にはがせて粘着力が備わったオススメのテープが「マスキングテープ」です。
マスキングテープ
ホッチキス
切り絵に用いるオススメの紙の種類
初心者には以下の紙がオススメです。
- 少し厚めのタント紙
- ラシャ紙
- 少し厚めの上質紙
これらの紙は程よい厚みがあって、なんといってもカッターの刃が進みやすい(切りやすい)です。
下絵を描くor下絵をコピーする型紙
できるだけ硬く切りやすい白紙※台紙がシッカリしていれば上記の和紙でも可能
切り絵となる紙(必要な枚数分)
台紙に使用する画用紙
台紙に使用したり、最後に切り絵の裏側に貼ります。
「寳来飾紙(宝来飾紙)」宝来の作り方(手順)
- 寳来飾紙を作成するには、まず、下絵が必要になりますので、まず、下絵を描きます。下絵を描く際は少し硬い白紙を使用すると切りやすいです。
- 下絵を切り絵にした紙を一番上に乗せます。
- その下に台紙となる画用紙を1枚敷きます。台紙は画用紙がベストです。
- その台紙の下に必要な枚数の紙を敷きます。
- あとはひたすら下絵の通りに切っていきます。
- すべて切り終えたら、最後に切り絵の裏側にお好みの色の画用紙を貼っていきます。赤色が使用されることが多いです。
- 画用紙を貼り終えたら玄関や仏間、床の間に貼ります。
自分で下絵を描いて下絵のみを宝来飾紙にする方法(動画)
他の人が書いた下絵を切り取って宝来飾紙にする方法(動画)
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