ご存知でしょうかか?
実は高野山内には、あまり知られていない特殊な参拝方法が存在することを。
これは高野山が古の時代より、特殊な場所として崇められてきた証拠でもあります。
以下ではその高野山における特殊な参拝方法について述べています。
手水舎があれば身体を清める
これはお寺だけでなく神社でも同じことが言えますが、過疎な地域の寺社を除いて鳥居や門をくぐると「手水舎」が「手水鉢」が置かれていることが多いです。
そして「手水舎・手水鉢」を見かければ必ず身を清めるようにします。
現在では口と手を清めるのが一般的で「身を清める」という言い方は、少々大袈裟と思われます。
しかし本来は身体全体を清めてから参拝するのが正式な参拝方法となります。
これは寺院でも神社でも同じです。
ただし、一般の参拝者全員が身体を洗い清めることができませんので、あえて身体の邪気が取り付きそうな部分を清めていることになります。
口は息を吸い込み、また食事の際に食べ物を放り込んでガシガシを噛みます。
つまり邪気が体内へ侵入するもっともな経路となります。
手は色んなものを触ります。触るので邪気が取り付き易いです。
これら口と手を洗い清めることで、邪気を祓います。
邪気とは、身体に害をもたらす「悪い気」のことで、最終的に体内の核とも言えるべき、「心(精神)の部分」に取り付き、身体を健全に動かすことができなくします。
何処から侵入してくるかも分からない少し厄介なシロモノです。
神社やお寺に行った際に手水鉢があれば、口と手を清めて、さらに神仏の前で真摯に祈りを捧げることで幾分か邪気が祓われます。
あとは自らの行動を戒め、心を健全に保つことを考え、改善に向けての努力を行うことで払拭されていきます。
手水舎に関しての詳細は当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
奥の院の橋を渡る前には必ず「一礼」??
奥の院は大師が入定されている場所として有名です。
そして奥の院参拝の折には、なんと!大師・空海が参道の手前まで迎えに来てくださるという言い伝えが残されています。
さらに参拝が終わって帰路の際にも参道の手前まで見送っていただけるそうです。
ただし、正式には参道入口に架かる「一の橋」と呼称される橋のたもとまで送り迎えしてくださるそうです。
そこで大師に対して失礼がないように橋の手前では一礼をして渡ることが礼儀とされています。
このような言い伝えが残されているということは、やはり奥の院(御廟)への参拝の始まりが「一の橋」からであり、一の橋からの参拝が正式な参拝方法であると位置づけることができます。
ちなみに高野山・奥の院へ続く橋は以下の3つあります。
一の橋
この一の橋からの参拝が高野山・奥の院における正式な参拝方法だと云われております。奥の院参拝の折には、この一の橋に大師が出迎えに来てくださり、帰路の際は一の橋まで来て見送ってくださると云われています。
関連記事:高野山・奥の院「一の橋」
中の橋
「中の橋」は「一の橋」から徒歩で約15分ほど山内を歩いた先に出てくる橋です。
この橋は別名で「手水橋」とも呼称されます。一説によるとこれが正式名だとも云われております。
現在、橋の向こう側に「国道371号線」が奥の院への参道に沿う形で通っていますので、中の橋から参詣する人も多くいます。
しかしながら、やはり高野山における正式な参拝方法は「一の橋」からの参拝になります。
勿論、中の橋からの参拝においても橋の前で一礼します。
御廟橋
奥の院の参道における「最後の橋」です。
この橋を渡ると、いよいよ大師が入定されている御廟になります。
橋の手前で一礼は無論のことですが、服装を少し見直しておきます。
気持ちを引き締めて心を改めて御廟へと足を進めます。
高野山内でのお参りでは「真言」を唱える??
高野山は真言宗の総本山でもあり、真言宗の開祖でもある大師が今の生きておられる(入定)ということで、参拝する我々もやはり気持ちを少しあらためたい所です。
そこで高野山内の諸堂へ参拝の折には、「真言」を唱えながら手を合わせてみます。
真言とは、「サンスクリット語」で読み上げる「仏様の言葉」になります。
「サンスクリット」とは、「洗練された礼拝用語」の意味を持ちます。
一般の方は真言を知らない方がほとんどですが、高野山参詣を機に少し覚えても良いかもしれません。
真言一覧
これらの真言を上記の仏様がお祀りされている堂舎にて合掌しながら読み上げます。
読み上げることで、仏様に自らが参拝に来たことを紹介することができます。
「塗香」って何?「塗香の使用方法」
「塗香」とは「ずこう」と読み、これは僧侶が付ける「香水」のようなものです。
塗香はいわゆるお香であり、お香とは「天然香木をすり潰して粉末状にしたもの」です。
僧侶が何故にこのような粉を持っているのか、その理由がお分かりになりますでしょうか?
実は仏門において匂い対策は重要な最低限のマナーだからです。
高野山においては一般の参詣者用に以下の場所に塗香が置かれています。
- 奥の院・燈籠堂
- 壇上伽藍・根本大塔
- 壇上伽藍・金堂
塗香の使用方法
片方の手のひらに摘んだ塗香を載せて、もう片方の指で両手の手のひらに均等に分けます。
両手を合わせてよく擦り合わせます。
両手を合わせたまま胸の前のもってきて、少し開いて匂い嗅いで気分と精神を落ち着かせます。
改めて合掌し直して(再度、両手を合わせて)、お祈りを捧げます。
終わりです。
檀家(だんか)になられているご家庭であれば、仏壇の引き出しに丸い缶に入った物を見たことがあるかもしれません。それがおそらく塗香です。
ロウソクを献灯する時にまで作法があったの?!
お寺に参拝に行けば、ロウソクを献灯する場所が堂舎の前に設置されています。
場所といっても、正式には「透明の大きなガラスケース」に、ロウソクをブっ刺せる「トゲが付いた金属の台」が幾つか組まれています。
大抵の方の場合、ガラスケースの扉を開けて、そのまま前方のトゲへロウソクをブっ指します。グサっ
しかし本来は「いちばん上の段から献灯するのがマナー」とされています。
また注意点としては、ロウソクに火を付ける時、ロウソクのもらい火はタブー(厳禁)とされています。
参拝者が多いお寺であれば、種火が隅っこに設置されているので種火からもらいます。
種火がないお寺の場合は、献灯台(ガラスケース)の下に引き出しがあるので、その中に「マッチ」か「ライター」が入っています。
双方なければお寺の方に聞いて指示を仰いでください。
またロウソクを献灯すれば線香も奉納するハズです。
線香の奉納は、常香炉(じょうこうろ)で行います。
常香炉は大抵、献灯台の付近に置かれています。粉がたくさん入った大きな金属の壺(甕/かめ)が常香炉です。
線香の奉納は、この常香炉の真ん中(中央部)から挿して行くのがマナーとされています。
高野山参拝時の服装について
まず、基本的に「奥の院・御廟橋」から奥は「写真撮影が禁止区域」となっています。
また、撮影の禁止区域以外で僧侶の方を撮影したい時は、許可をいただくか、修行の邪魔にならないように心がけて「失礼します」と心で念じながらシャッターボタンを押すようにします。
その他のマナー服装など
スマホなどの携帯電話類はマナーモードへ切り換えておきます。
極度なカジュアルは控える。
靴はヒールが高いものは控える。派手は靴も控える。
ガム噛まない。(堂舎内での飲食は基本的に厳禁)
無意味な半笑いをしない
度を超えたアクセサリー類の装着を控える
靴に関しての注意点
高野山内は堂舎が立ち並んでおり、金剛峯寺を始めとした堂舎では靴を脱いで参拝することが多々あります。
つまり「靴を脱ぐ機会が極めて多いロケーション」といえます。
従って、脱ぎやすい靴をあらかじめ用意しておく必要があります。
また、靴下も履いておく必要が出てきます。足が強烈に猛烈に激烈に臭い方は靴下の替えをカバンに入れておくように心がけておきます。
その他、高野山内は参道が整備されている訳ではありませんので、山道を歩けるような「動きやすい靴」を準備しておく必要があります。
服装に関しての補足
ご存知の方も多いと思われますが、高野山内は比較的、温暖地域である関西圏内でありながら、極寒の地でもあります。
真暑の夏い時期でも平均気温が24度くらいの地域です。
つまり都会と温度差が5度から10度ほどあるということを認識して、それなりの服装を用意しておく必要があります。
従って、たくさん荷物が収納できるカバン(トートやリックサックなど)も必要になってきます。
帽子は脱帽??
これは神社での参拝でも同じことが言えますが、堂舎へ昇堂し参拝する時は必ず脱帽します。
これは室内で脱帽する礼儀と同様のことが言えます。
また堂舎の中は原則的に「右入左退(うにゅうさたい/右進左退)の原則」があります。
これはその言葉の通り「参拝時は右足からから入り、参拝を終えて帰路に着く時は左足から出る」ということが暗黙のルールとして定められています。
また仏教寺院では「左側通行が暗黙の原則的なルール」になっています。
高野山内の1年の気温や服装については当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
和歌山県・高野山(奥の院)平均天気予報(気象庁)「気温・降水確率」と季節の服装
高野山内の参拝ルート
高野山内の基本的な参拝ルートについても以下↓の別ページにてご紹介しております。
日帰りで行くならコレ!車で単純アクセス!高野山でオススメの観光モデルコース(順番)と所要時間
終わりに・・
参拝時におけるマナーを知っておくことで、後腐れ(あとぐされ)がない、気持ちの良い参拝ができます。
尚、ここでご紹介した参拝方法は高野山以外の寺院でも同様のことが言えます。
その他の寺院へ参拝される場合も是非!ご参考にしてください。オホ
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